石油製品との関わり
海面の上昇が指摘され始めたのが今から約30年前、温暖化が進むと異常気象に繋がると警鐘を鳴らす記事が毎日のように紙面を賑わせていたと記憶しています。
この当時、温暖化の原因はクルマの排出ガスに起因するとの見方が大半でした。1992年(平成4年)4月、自治体から 雇用創出に繋がる地域開発の手助けを求められ、 コンサルタント契約を締結、
「みらいのクルマを開発するファクトリー&サーキット構想」を提案、誘致する複数の自動車メーカー工場は、地元木材のログハウス調、テストコースは、大手舗装会社の設計により本格サーキット仕様、自動車メーカー系大手商社と実現を目指しました。しかし、土地所有者の同意が100%得られず残念な結果に終わりました。今、富士の裾野で展開される○○○イムズのCMを目にする度に思わず拍手を送りたくなります。

1996年(平成8年)「ソーラーカーに乗って地球の環境考えよう!」をテーマに エコロカート6台製作しました。
ピットレーンに併設したソーラーパネルから電動カート(EV)へ充電、体験学習をして頂きました。
小学4年生の理科の教科書に取り上げられ()環境に優しいクルマの筈でしたが、ふと気づくと、何故か充電エネルギーに関しては一切触れること無く、電気自動車(EV)として単独で歩き始め、今日に至っています。電気自動車に充電するエネルギーを火力発電に依存していては、目先の変更に過ぎず温暖化の抑制には繋がりません。今日では地球の温暖化=気候変動の原因は、化石燃料から排出されるCO2の影響が最も大きいことを、多くの方が認識されていると思います。

化石燃料である原油を蒸留分類すると、炭素分の含有量順にナフサ・ガソリン・灯油・軽油・重油となります。ナフサは石油製品の原材料であり、ガソリン・灯油・軽油を取り出した後の重油に含まれる残留炭素分は概ね8%.80000ppm. ガソリンに含まれる残留炭素分を10ppmとした場合、重油が環境に与える影響はガソリンの8000倍に当たります。

この炭素の塊ともいえる重油ですが、アスファルト舗装の資材(コールタール)として役立つばかりでなく、原油を運搬する大型船舶の燃料としても、その大役を担っています。この原油を産油国から運んで来るタンカー船の存在なくしては、資源のない日本がこれ程までに発展出来なかったと思います。又、身の廻りの日常製品も原油無くしては生産出来ないものが沢山あります。(石油製品との関わり 参照)

しかしながら、地球の温暖化を救うには化石燃料から、再生可能なエネルギーへの転換が急務で有ります。この様な状況から大手海運会社は、2050年までにCO2排出量50%削減を目標として、LNG船(液化天然ガス)や、E-shipへの転換を進めています。しかし、LNG船1隻の建造費は80~100億円であり、C重油燃料の大型船舶全てを転換するには今暫く時間を要します。

「エコロフィルター」の目的は、温暖化の抑制に貢献することであります。重油を燃料とする国内船舶 及び 国外船舶がLNG船やE-shipに転換するまでの繋ぎ役として、無効エネルギーを航行エネルギーに転化して 、エネルギー効率の改善を図ります。その検証方法は、排ガス分析計を使用し 装置搭載前後のCO2・SO2測定を行ない実証します。

内航海運 船型別状況
世界の商船船腹量の推移
資料:日本船主協会